瓢亭(そば/北区曽根崎)
場所は、お初天神の東隣の細い路地を入ったところ。
<おすすめの弁>
お初天神といえば、近松門左衛門、といえば「曽根崎心中」の遊女お初・徳兵衛。
日本の伝統文化にはからきし”ガイジン”だけど、受験勉強で知った「この世の名残、夜も名残、死にに行く身をたとふれば…」のもの悲しい名調子は何となく残っている。
今はビルに囲まれてすっかりそんな風情はないけれど、路地の「瓢亭」に入ると、タイムスリップしたような雰囲気がある。
おすすめは、冬はもちろん真夏でも熱い「夕霧そば」。
せいろのフタを取ると、ふわっとゆずの香りの湯気がたつドラマチックな色白のそばだ。
子どもの頃からのそば好き・オジン趣味の◎オバンスタナカ◎が、早くから新聞や雑誌で見て、またこのお店が好きだった父の話を聞いて憧れていたお店がこちら。
初めて行ったのは高校時代。1人でドキドキしながら「夕霧そば」を頼んだ。
(あれから数えて40年超えた)
最も足繁く通ったピークは小遣い&バイト代の大半を飲み食い、映画に使った、ノーテンキな大学時代。
当時は、3人の娘さんがお店を切り盛りされていたように記憶している。
赤い壁が郭の雰囲気(←たぶん)を醸し出す今のお店も素敵だけど、ひっそりとして肩の力の抜けた粋さのあった当時の雰囲気も好きだった。
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そばは色黒が好きだけど、「夕霧そば」は別格。ほの暗い店内で、ほわっと湯気をまとう色白のそばは湯上がり美人のようだ。
生たまごをとき、熱々のお出汁をはって薬味を入れ、ススッといただく。熱せいろ系のおそばは、肌のすべりが悪くなるので、生たまごのつるみがススッという喉ごしを保ってくれる(と、勝手に想像している)。
ホームページを拝見すると、そのユズは毎年11月から12月にかけて、徳島、高知方面から何千個と入荷するのを、10人前後が連日手作業で皮をすりおろし、1年分を確保されているとのこと。
一度、カレーそば(大好き!)とか、鴨南蛮(大好き!)も食べてみたいと思うけど、やっぱり熱い「夕霧そば」それも1斤半、一筋。浮気はできない。
<瓢亭>
営業時間:(月~金)11:00~23:00・(土)11:00~22:30
(日曜日・祝日は定休)
TEL06-6311-5041
大阪市北区曽根崎2-2-7
(※お店のホームページより)