大阪市の南に住んでいた小中学生の頃は、
繁華街へ出掛けるのはいつも難波(なんば)だった。
暑い夏、戎橋通りのかかりのあたりには、
よく冷たいものをショーケースに並べた店が並んでいた。
クリームソーダ、かき氷、氷あんみつ…そんな中に必ずあったのが、氷すいかだった。
大きめにカットした赤いすいかに、氷をたっぷりかいて
ミゾレの蜜がかかっていた。
見た目も涼しそう。色がきれい。
食べ終わると汗がひいて、おなかがちょっとタプタプした。
子どもの頃、大好きだった記憶があるけれど、いつの間にか姿を消したのは
冷房が普及したからに違いない。
素朴な夏の一品。今思い出しても、あのきれいで涼しげな色にはワクワクする。
◎オバンスタナカ◎