オケラ

オケラ、年なんぼ?

小学生の頃、住んでいた小さな団地の中庭に小さな砂場があった。スコップで掘っていると小さな生き物が見つかることがあった。

ミニミニモグラ?

うす茶色のその生き物は、確か、短い体毛におおわれていた。手がモグラのように潮干狩りのスコップみたいな形。

親指と人差し指ではさんで持つと、もごもごと動いている。
「オケラっていうんや」

たぶん年長の砂場仲間に教わったのだろう。どうやってそれがオケラだと知ったのかは覚えていない。
そのオケラの耳元(?)で「オケラ年なんぼ?」と声を出して聞くと、オケラはびっくりしたように両手をパッと開く。

「十やて」

指を放すとオケラはあわてて砂をかいてもぐっていった(ように記憶する)。

***

考えてみると、そんな風に砂や土をさわることがなくなった。
*ちなみに、オケラはコオロギの仲間だそう。正しくはケラ(螻蛄)。
 夏の道ばたでジージーと鳴ってるのは、ミミズではなくオケラの鳴き声だそうです。
◎オバンスタナカ◎

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