子どもの頃、道ばたの雑草や団地の植え込みの草木で遊んだ。
何をして遊んだのだろう。たぶん、ままごとのたぐい?
それとも、単に摘んでさわったり匂いをかいだりしていたのかもしれない。
子どもの頃、道ばたの雑草や団地の植え込みの草木で遊んだ。
何をして遊んだのだろう。たぶん、ままごとのたぐい?
それとも、単に摘んでさわったり匂いをかいだりしていたのかもしれない。
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EXTENDED BODY:
夏の日照りが強い頃、よく見かけたというか
ほとんどこれしか覚えていない雑草が<すべりひゆ>だ。
ぽってりした肉厚の葉も、小さな黄色い花も、見るからにジミ。
赤茶色のやはり多肉質の茎が枝分かれして、道ばたや庭の隅っこにはえていた。
「なんでもっと可愛い花がないの???」
本や雑誌の写真で見たヨーロッパの、草原に咲くオレンジ色のケシの花。
少女小説に出てくる「おだまき」や「きんぽうげ」なんか、見たこともない…。
ほんとジミ。可愛くない花。図鑑で調べたら<すべりひゆ>とあった。
*大人になって知ったのは、食用になる野草だということ。
ゆでて水にさらせば、おひたしや和え物にできるそう。
日照りにたいへん強い草ということなので、きっと干魃で飢饉の時や
終戦後まもない食糧難の頃には、ずいぶんと人の役に立ったのだろう。
夏といえば、まっ先に思い出すのは、今でも<すべりひゆ>。
ジミなのに、可愛くないのに、それが不思議だ。