徳島を発って、大歩危に到着。途中、雄大な吉野川を右手に見ながら車を走らせ、脇町、貞光町で「うだつ」のある街並みを見てきた。
うだつ( 、卯建)とは、町屋の妻壁の横に張り出した袖壁で火除け壁ともいい、防火の役目を果たしたとされる。江戸時代、藍で儲けた豪商が金に糸目をつけずに立派なものを建てたことから、立身出世も出来ず、財力の無いことを「うだつが上がらない」と言う。 芦屋、田園調布の高級住宅地といえども「うだつの上がらない輩ばかりが暮らしているのだ!」と勝手に解釈するとしよう。
貞光町から大歩危小歩危を目指したのであるが、いつもの調子の行き当たりばったりなのでルートの下調べをしない。時間に余裕があったので剣山を目指して国道438号線を南下、剣山から国道439号線を通って大歩危方面に出ようとナビをセット。徳島城表御殿庭園で贅沢に使われていたものと同じ緑泥片岩の見事な巨岩奇岩がごろごろしている渓谷を「あれを庭石にすれば何百万円、こっちは何千万円」とバブル期のような算盤をはじきながら機嫌よく登って行ったのだが、これが大変な”おお呆け”となってしまった。今回の旅で四国を選んだ理由の一つが”一足先に春が来る四国”であり、雪という言葉が完全に頭から消えていた。国道438線と439号線が交差するあたりは標高が1300mもあり、積雪も半端でない。冬用タイアを履いていないが4WDなので何とか分岐点までたどり着いたが、国道439号線が雪で埋まって消えている。あったのは「国道439号線冬季通行止め」の表示。苦労して登ってきた同じ道を泣く泣く下ることになった。
40年も前の話になるが、信州へスキーに行くと四国からのスキーヤーも多く、「四国にはスキー場が無い」と話していた記憶があるのだが。
雪道の運転で肩がこりこりになったので今夜は、民宿+立ち寄り湯 で体をほぐすことにする。
(2月28日 記)
千葉県柏市在住の河内のオッサン