高松のスーパー爺様のお宅を辞し、徳島を経由、国道55線を海岸沿いに南下して室戸岬に到着する。視力はまだまだあるのだが乱視が進んでいる私の眼には、少々の思い入れもあるのだが”ルート55″が”ルート66″に見えてしまう。
阿南市をすぎたところで県道26号’四国みち’に折れ伊座利漁港をめざす。 この漁村は、早くから豊かな海と健全な森のコラボレーションに注目し「魚付き保安林」の植樹を導入したところで、美しい海と光り輝く照葉樹の森が印象的な場所である。
(これはオバンスクラブ・某オバンからの受け売りです) 残念ながら、週末のためか漁協の建物は閉まって閑散としていた。26号は県道とはいうものの急峻な斜面にへばり付いたワインディングロードで、対向車が来ないのをただただ祈る細い道でおっかない。国道に復帰するのに思った以上の時間がかかった。
徳島・高知の県境に近づくにつれ、お遍路さんの姿が目に付くようになる。多くは我々と同じ団塊の世代かそれ以上のようだが、中には20代、30代の人たちも一生懸命歩いていて清々しい。 写真を撮ろうと、菜の花畑の前でしばらく待ってみたが、お遍路さんは現れず、残念!
室戸岬、云わずと知れた台風の通り道である。第二室戸台風が大阪を襲った時のことを今でも鮮明に記憶している。猛烈な勢いで飛んで行く大きな看板やトタン屋根を、当時住んでいた住吉区の市営住宅の2階の窓から目にした。2DKの狭い住居に一家5人暮らしであったが、その時ばかりは鉄筋コンクリート作りの住宅団地が頼もしく感じられた。
さて、今夜のお宿は、室戸岬灯台のすぐ近く、四国第二十四霊場最御崎寺の宿坊。お遍路さんでもないのに図々しく交渉したらOK、朝晩飯付きで5,850円。
(3.1 記)
千葉県柏市在住 河内のオッサン