岩は皆渦潮志ろし十三夜 秋桜子
NHK・ちりとてちんを見てから出発、足摺岬へ足をのばした。私は「岬」という標識を見つけると必ずその尖端まで行きたくなる。行けるところまで行って、それ以上行けないことを確認して戻ってくる。アラスカに住むレミングというネズミに似た小動物は周期的に大発生して大群で岬まで押し寄せ、そのまま海に飛び込んで死んでしまうという。足摺岬も自殺の名所、岬には生き物を引き付ける魔力でもあるのだろうか。私は魅かれる。カラオケで酔っぱらうと森進一の襟裳岬を必ず歌ってしまう。
四万十市(旧中村市)まで引き返し、いよいよ川を上って行く。右手に川を見ながら農道のような細い道をたどり、佐田の沈下橋で左岸に渡る(感激!)。川の水にも触れてみたが評判通りの澄んだ水だ(これも感激!)。記念にと小さな石を一つ拾った。そのまま、国道とは名ばかりの441号線を上る。
いくつかの沈下橋のひとつに「釣りバカ日誌撮影の沈下橋」という看板を発見、自分がミーハー団塊世代の典型であることを確認、思わず苦笑い。
江川崎という町で川に別れを告げ、「道の駅」が次から次へと出没する道を、西予、大洲を経由して今夜のお宿・内子に到着した。
足摺岬の近くで今年初めての桜に出会う。品種も分からない(早咲きの河津桜はもっと色が濃い)若い樹だが一生懸命咲いている。大好きだが、桜の花を見るといつも「あと何季この花を見ることができるのだろう」と考えてしまう、、、、、、、
(3.3 記)
千葉県柏市在住 河内のオッサン